「アニメの撮影とは」

 前職がアニメの撮影でした。仕事を聞かれる度に説明するのですが、理解されたと感じることはありません。私が撮影を知る前もそんな感じだったように思います。

Youtube で「アニメの現場」と調べれば分かると思います。

1、絵を描く以外でアニメ業界に関わりたい人

 撮影は絵を描く必要がないので、絵が描けない人も働けます。ただし、画を見る力は必要です。どこから光が来ているのか。背景やキャラの比率はどうか。シーンを通して矛盾なく、画の統一が取れているか。鉛筆を使わない「画力」が必要です。

2、相手の意図を汲み取って、指示通りの作業ができる人

 監督や演出、作画から来る指示は曖昧なものがほとんどです。聞いたこともないようなエフェクト名が書いてあったり、前後で帳尻があわないような指示だったり。撮影は1人で1カット丸々作業して、1日のうちに20~30カットは最低でもこなす必要があります。それぞれが作業したカットはまとめて撮影監督がチェックします。その時に、撮影監督から画がおかしいことを指摘された際、アホな撮影マンは「指示通りです」と言います。でも画はおかしいのです。変な指示であろうと、何かしら意図があるはずなのですから、そこを読み取って、おかしくない画を指示の範囲内で作る必要があります。

3、プライベートの時間を必要としない人

 撮影は待ちの仕事です。作画、仕上げ、背景、制作は平気で撮影に素材を渡す締め切りを破りますが、撮影は破ることができません。制作から素材が来るのが遅れれば遅れるほど、残業時間は伸びていきます。入社して3ヶ月目で月の残業時間は100時間近くになっていました。それが3ヶ月ほど続きました。働き方改革で改善しようとしてはいますが、業界全体で変わらなければ無理です。

4、妥協できる人

 演出、作画、仕上げ、背景、制作へのダメ出しを毎日のように聞きます。素材不備やそもそも撮影側の要求した素材じゃないだとか、理由は様々です。ですが、こちらの要求通りの素材は上がってきません。不満のある素材で撮影する必要があります。当然、出来上がった画に不満を抱きます。しかし、その状態で納品して放送しなければいけません。妥協する必要があります。

撮影として仕事を続けられる人は、大きく分けて3パターンいます。

「アニメの撮影以外に趣味を持っていない人」

「辞めたくても様々な理由で辞めれない人」

「何も考えていない人」

 もし、この文章を読んだ人でアニメの撮影を目指す人がいるなら、今一度自分に問いかけてみる必要があります。なぜ撮影を目指しているのか。アニメが好きだから、動画編集が好きだから。スタッフロールに名前を載せたいから。そう思っている人は、是非とも違う仕事を探したほうが身のためです。CGデザイナーでも目指しましょう。

 しかし、これだけ酷評して、そんなに酷かったかというと、それだけではないのも確かです。自分が撮影したアニメが未来永劫残って、世界中で見られるわけです。ネットで探せば、自分が撮影したカットの画に対して掲示板なんかで「かっこいい」だとかコメントがついているわけです。もしも、残業がなく、月収が手取りで20万、撮影スタッフに優秀な人が多くいれば、私は撮影を辞めなかったかもしれません。少なくとも3年は続けたでしょう。

もし本当に撮影で就職したいなら、とにかく大手に就職しましょう。版権を持っているところが望ましいでしょう。会社によっては基本的な撮影業務ですら、間違ったやり方をしている会社もあります。大手を狙いましょう。大手に通らないなら、アニメ業界以外を考えましょう。

投稿者: パディークロウ

アニメ撮影で1年、ブライダル業界で1年働いた動画編集者です。 フリーランスでの生活安定に向けて活動中。 宮崎に戻って暮らしたい。

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